「鵡川ししゃも」のストーリー

ししゃも資源を守り続けるために!

ししゃもは、世界でも北海道太平洋沿岸にのみ生息する日本固有の魚種です。

統計的数値はないものの、古くは「ししゃもの遡上期には川が真っ黒になるくらいししゃもが遡上する」と語る方もおり、資源が豊富であった様子が伺えますが、近年、資源は低位でかつ不安定です。

また、自然環境の変化が原因と思われる大雨災害などで、ししゃもの産卵場所である河川(河床)の状態が悪化する頻度が増しており、ししゃも資源との共存を願う私たちとしては、これらの情勢に対して、何らかの施策を講じる必要があると考えています。

遡上を助ける取り組み

まず、ししゃもの遡上を助ける取り組みが大切です。
当組合では、同じししゃも資源を共有する漁協、行政で構成する「胆振管内ししゃも漁業振興協議会」に所属し、

  • ①漁獲する網を改良して稚魚の混獲を極力防ぐ措置
  • ②ししゃも漁業着業船の自主減船措置
  • ③河川遡上期を見極め、遡上直前でししゃも漁業を打ち切る措置

などを強力して取り組んでいます。

また、現在では、この取り組みをえりも以西太平洋全体に広げ、「えりも以西海域ししゃも漁業振興協議会」の設立に参画し、ししゃも資源の全体管理をめざすべく、努力を続けております。

自然災害からししゃもを守る取り組み

次に、自然災害の脅威からししゃも資源を守る取り組みです。

当組合では、資源補完の観点から、前述した「胆振管内ししゃも漁業振興協議会」で行うししゃもの人工ふ化事業に積極的に取り組んでいます。

残念ながら、ししゃもの人工ふ化については生態解明が進んでいる最中であり、「資源の増大」に直接寄与するまでには至っておりませんが、自然災害の脅威からししゃも資源を守る「資源の補完」の手段として、現在も継続して実施されています。

また、自然の力による災害防止・環境保全を助成すべく、植樹活動にも積極的に取り組んでおり、毎年、春には鵡川の顆粒域水源地で、秋には鵡川源流付近で行われる植樹に参画しています。

【ししゃもを自然災害の脅威から守る環境保全のための植樹活動の様子】

ししゃもを自然災害の脅威から守る環境保全のための植樹活動の様子

ししゃも資源は、漁業者ばかりでなく、むかわ町にとっても貴重な産業・観光資源であることから、今後も資源の大切さを忘れることなく、資源管理への取り組みを継続していきたいと思います。

知ってますか?『ししゃも辞典』

ししゃもの名づけ親

1913(大正2)年、当時、北海道大学附属水産専門部の故・疋田豊治(ひきたとよじ)助教授が命名、アイヌ語の「スス=柳」「ハム=魚」から柳葉魚と名づけ、シシャモと呼んだそうです。

ししゃも伝説

ししゃもにはアイヌの人々によって語り継がれてきた伝説が存在します。伝説も地方によって違いがありますが、いずれの地方に伝わる伝説にも「柳の葉」が登場し、神の力により魚に姿を変えています。

ししゃも博士

ししゃも漁獲地には、どの地方にも「ししゃも博士」と呼ばれる方がおりますが、当組合では「史上最年少のししゃも博士」と出会いました。

菅原紗也香さんという女性で、2004(平成16)年、「柳の葉の魚・まるごとシシャモ事典」という研究テーマで、第23回「海とさかな」自由研究・作品コンクール(主催:朝日新聞社・朝日学生新聞社、後援:農林水産省・文部科学省、協賛:日本水産株式会社)において、朝日学生新聞社賞を受賞されました。

この研究にあたり、菅原さんは各種文献の整理だけでなく、当組合の所在するむかわ町にもなんども足を運び、熱心に取材を行っていたのが強く印象に残っております。

また、当時小学校6年生であった菅原さんの研究レポートの精度の高さに大変驚かされました。

ししゃも荒れ

ししゃもが大量に遡上する時期には、なぜか荒天となり、木枯らしが吹き、海は荒れ狂います。ししゃも漁業者の間ではこれを「ししゃも荒れ」と呼んでいます。

むかわ町観光協会を中心とする有志で開催しております「ししゃもあれとぴあ」というイベント名は、「ししゃも荒れ」と「ユートピア」という2つの言葉からできた造語です。例年、11月の第1日曜日に開催しておりますこのイベントでは、ししゃも鍋、炭焼きししゃも、ししゃも寿司などを食することができます。

ししゃもが「サケ目」な訳は?

ししゃもは魚類としては「サケ目」に所属しています。

正直申しまして、なぜサケ目なのかという生物学的根拠はきちんとあるのでしょうが、ししゃもはサケと同じく、秋になると産卵のため川に遡上する淡水と海水を行き来する魚」です。川に産みつけられた卵は翌春にふ化し、稚魚は海へ降りていき、翌秋にまた帰ってきます。

今ではししゃもという魚についてかなり知られしまいましたが、川に遡上するという部分については、ご存知でない方もまだまだいらっしゃるようです。

「ししゃも」という魚名が知られた意外な背景

ししゃもは元来地元住民にのみ食されておりましたが、加工販売業者の尽力により、現在では全国へ流通しております。しかし、北海道の太平洋沿岸にしか生息しておらず、漁獲量も2,000トンほどの稀少魚種がここまで有名になったのにはもう一つ訳があります。

それが現在、「カラフトシシャモ」や「子持ちシシャモ」などとして販売されているキャペリン(カペリン)という外来種の魚です。

このキャペリン、ししゃもとは全くの別魚種ですが、ししゃもと食感が似ているという理由で商社などにより輸入されたのが始まりのようです。折しもししゃもが道外に流通され始めた昭和40年代から輸入販売が始まったようで、この魚も「子持ちししゃも」という名称で販売されました。ししゃもよりはるかに安価で大量供給されたことから、ある意味「ししゃも」という名前だけが世に広まった一因であるかもしれません。

しかし、その食感や風味は本物の足下にも及びません。本物のししゃもをご賞味いただいたことがない方は、ぜひ、本物をご賞味ください。

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